「今日のラストソングは~」

と、ナオが言い

続けて塁が・・・

「ユラのために心をこめて

歌います。

お誕生日おめでとう!」

今度はあたしが驚く番だった。

<心配性すぎなあな~たは~・・・

電車に乗せるのを嫌がるぅ~・・>


ナオと塁があたしの隣に来て

二人であたしの顔を見て

テレながら歌ってくれた。

雨の日の約束・・・

ちゃんと覚えててくれたんだ


涙が止まらなかった。


今でもこの歌を聞くと

一瞬にして塁の香りが甦る。

塁と過ごした日々を

もどかしかったあの頃・・・

はにかんで笑う口元や大きな手

厚い胸とバスケで鍛えた太ももに

いつも穿いてたお気に入りの

チェックのズボン。。。

そして二人で箱の中に

いっぱい詰めた<愛のかたまり>

塁はあたしが最後に見つけた

かけがえのない宝物だった。

あたしに真実のの愛を

教えてくれた人だった。