「そうだったんだ。

じゃあ、なんであん時、

ただの客だなんて

嘘ついたの?」

「だってユラはあん時

相当俺に怒ってたし

こんな重い話できないっしょ?」

確かにそうだった。

ただ、

女を泣かせてる軽い奴としか

見てなかったから。

「バイクとかどうすんの?

学費もあるんでしょ?

仕事平気なの?」

塁の、少し茶色く薄汚れた

痛々しいギブスを見ながら

あたしは矢継ぎ早に質問した。