「錬太郎くんが運ばれた時
ちょうど私は日勤でしたから
あの部屋を担当したんです。」

「陽平くんも、ですか?」

「いえ、大きな病院ですから
一緒になることはめったに
ないんですけど・・・」

「じゃあ、何故?」

「陽平は貴方の姿を見たんです。」

「え?」

「貴方が初めてここにいらした夜
応対したのは私です。」

あの時、焦っていたから
全く覚えていない。

「あの時陽平は
看護室の奥にいたんです。
たまたまあの日は
相談があるからと一緒に帰る
約束をしていました。」

陽平がいた・・・?

そんな偶然って・・・