セロリとアライグマ

二週間学校へ来ていない新伊だった。
一緒にいるのは先日家で会った母親だ。

新伊もオレに気づいた。


「山崎くん！あれ？今日どうしたの？」


なんだ、よかった。

普段どおりの新伊だ。


「いや、図書室で勉強してた。二組のまなか真中に図書室のカギ借りてたから」

オレは新伊と話しながら母親にぺこっと礼をした。
母親はにこっと笑った。


この間家で話したときよりなんだか寂しげな表情を浮かべていると思うのは気のせいだろうか。



「ヒサ、お母さん、先に帰って仕事行くね」

「うん、分かった。車気をつけてね」

新伊は母親に手を振った。

母親はオレにゆっくり礼をし、職員室前の階段を下りていった。



「…山崎くん、もう帰っちゃう？」

「ああ。なんで？」

「一つお願いがあるんだけど…いい？」

照れくさそうに新伊は笑った。



まさか告白？ってんなわけねーよな。
何いってんだか、オレは。