「お待たせっ」

二人分をお皿に盛って、テーブルに並べる。

「うまそ」

二人で手を合わせて食べ始める。

口に入れた颯真をじっと見つめる。

お口に合うかな...?

「うまいよ。めっちゃ料理うまいじゃん」

わー、ほめられたよ!

「ほんと!?私お母さん以外にお料理振舞ったことないから...。よかったぁ」

まずいとか、イマイチな顔されたらこれからどうしようかと思ったよ。

「マジで美味しいから。親父が作ったらくそ不味いし、見た目悪いから」

「そっ、そーなの?」

「ああ。冷凍のチャーハンの方が美味いくらい」

あらら...。

相当下手くそなんですね、料理。

「颯真は料理するの?」

「しない。親父みたいなことになるから」

似てるんだね。

「じゃあ私が教えてあげよっか?料理男子ってモテるんだよぉ!私の中学校にいた先輩、めちゃくちゃ上手で、いつも告白されてたよ」

「その人のこと好きだった?」

えええ!いやそういう意味じゃないです。

「ち、違うよぉ!第一先輩と接点もなかったし、喋ったこともないし。料理はうまかったけど、ナルシストだったから私は苦手だったよ」

「ふーん」

あれれ...?

なんか様子が変な感じ。