☆悲しい妖BGM

妖狐(ヨーコ)「ふふふっ...人間なんてみんな死んでしまえばいいの」

妖狐(ヨーコ)「人間なんて...」

人間の子供「ねぇねぇ、お父さん!あんなところにキツネさんがいるよ!」

お父さん(猟師)「ん?キツネ?火縄銃の準備をするから離れてなさい」

人間の子供「え!?お父さんキツネさんに何するの!?」

お父さん(猟師)「(準備しながら)お父さんは猟師だからな。キツネを狩るのが仕事なんだ。お前もそのうちわかるようになる。お父さんの子供だからな」

人間の子供「お父さんやめてよ!」

☆銃の音

妖狐(ヨーコ幼少期)「お母さん...遅いよ...狩りに行ったきり帰ってこない...お母さん...どこ?」

人間の子供「お父さん...うぇぇーっ、ひっく」

お父さん(猟師)「・・・・・・よし、大物だ。こいつはいい毛皮になりそうだ。さぁ、帰るぞ。母さんが待ってるからな」

妖狐(ヨーコ幼少期)「お母さん!?...ひっ、人間っ...人間がお母さんを殺した!?そんな、お母さんっ!お母さん!」

☆幻影・悪夢の音

妖狐(ヨーコ)「お母さんは人間に殺されたんだ...わたしは絶対に許さないわ」

烏天狗(天眞)「怖い顔してる、ヨーコ。シワ寄ってるぞ」

妖狐(ヨーコ)「なによ、天眞。邪魔しないでちょうだい、あと少しなの」

烏天狗(天眞)「ヨーコさぁ、少しは他のこともしたら?いつもいつも怖い顔してさ。変な鏡に張り付いちゃってさ。俺と一緒に散歩しようよ」

妖狐(ヨーコ)「誰があんたなんかと散歩してる余裕があるのよ。わたしは忙しいの。放っておいてちょうだい」

烏天狗(天眞)「ヨーコ。行こっ、ほら。今日は月が満ちててさ、すごーく綺麗なんだ。そんな、目先ものばかり見てないでさ。遠くを見てみなよ。綺麗だと思うけどなぁ」

妖狐(ヨーコ)「満月なんていつでも見れるわ」

烏天狗(天眞)「俺はヨーコと見たいよ?」

妖狐(ヨーコ)「仕方ないわね。少しだけよ」

烏天狗(天眞)「やっぱヨーコはなんだかんだ俺に甘いよね」

妖狐(ヨーコ)「バカなこといってないで。さっさっと見に行くわよ」

☆歩く音

烏天狗(天眞)「俺、ヨーコと一緒に居れてなんだかんだ楽しいよ?それに俺の分のご飯も作ってくれるじゃん」

妖狐(ヨーコ)「1人分も2人分も同じだからよ。特に意味はないわ」

烏天狗(天眞)「ふーん。ほらっ、見てよ満月だぁ」

☆星空の音

妖狐(ヨーコ)「...ふぁっ、綺麗...んっ、んぁっ...ちょっと、なにするの!バカ天狗!」

烏天狗(天眞)「ははーん、今更恥ずかしがる仲じゃないじゃん。ヨーコはもうちょっと俺のことも考えてよ...いつも、隣にいるのにさ」

妖狐(ヨーコ)「あんたっ!わたしの性別知ってて変なことしてくるんじゃないわよ!はっ、恥ずかしいやつっ(照れながら)」

烏天狗(天眞)「性別なんて俺たち妖には関係ないだろ?オスでもメスでも俺はヨーコが好きだし大事だよ。だから俺はヨーコの隣にずっと居るんだ」

妖狐(ヨーコ)「あぁー...もう、分かった。早く戻るわよ...月も見えたんだから」

烏天狗(天眞)「ヨーコ、いつでも俺は隣にいるから。そんな憎しみだけに囚われないで俺のことも見てよ」

妖狐(ヨーコ)「分かったわよ。でも私は...」

烏天狗(天眞)「分かってる。全部分かったうえで一緒にいるよ...これからも、ずっとね」

妖狐(ヨーコ)「あんたって、ずるいわ」