羽山颯太「なっ、なんだ!?地面が揺れてる!?」

☆妖が現れる音(鳴き声)

牛鬼「グググ...グガガガッ‼︎」

羽山颯太「なっ、なんだよ...あれは...あやかし...なのかっ」

牛鬼「グガガガッ‼︎」

羽山颯太「こっ、こっちにくる!?」

猫又「颯太様こちらへっ‼︎」

羽山颯太「なっ、何が起こってんだよ」

牛鬼「グガガガガァッ」

*******

猫又「ここまでこればもう安全です。お怪我はありませんか?颯太様」

羽山颯太「あぁ、大丈夫。何が起こってるんだよ...あ、あんなでかい妖が京都の街に現れるなんて」

猫又「妖屋はご存知ですか?颯太様」

羽山颯太「妖屋?ヨーコちゃんのことだろ?」

猫又「そうです。妖狐が人間に対し放ったのがあの街に現れた牛鬼です」

羽山颯太「ヨーコちゃんが?そ、そんなことするわけ...」

猫又「颯太様はあの化け狐に騙されたのです。あの者は妖の中でも人を騙すのに長けた者...お気の毒ですが...」

羽山颯太「そんなっ、そんなことあるわけねーだろ!?ヨーコちゃんが...そんなこと...」

猫又「今は牛鬼をどうにかしないといけません。牛鬼を退治できるのは陰陽師(おんみょうじ)の血筋である羽山家の方しか封じることはできないのです」

羽山颯太「はっ!?なに言ってるんだ!」

猫又「シロは先代の羽山宗吉様より颯太様をお守りするようつかわれました」

羽山颯太「じいちゃん!?そんなこと知らねーよ、じいちゃんは親父と縁を切って以後会ってないんだ」

猫又「知っています。ですが、宗吉様亡き今...せがれの政宗様よりも力がお強い颯太様。貴方様しかあの牛鬼を鎮めることはできないのです」

羽山颯太「...なんなんだよ、それ」

猫又「牛鬼をご存知ですか?あれは、毒を吐き人間を食らう妖です。放っておけば京の町の人間を全て食らい...それだけではなく...」

羽山颯太「分かったよ...俺がどうにかするしかないんだろ?なんもできねーし。わからねーよ...それでもいいんだろ?」

猫又「わたくしがお教えします」

羽山颯太「お前名前は?チビ猫」

猫又(シロ)「猫又のシロと申します。以後お見知り置きを」

羽山颯太「シロだな!わかった」