「お前、帰るの?
いつもは参加するのに」
と一浩が声をかけてくる。
「うん。ちょっと用事があるの。
じゃあね」
と別れようとすると
「俺も帰る」
と言い出した。
ふたりで帰っていると
「なぁ俺の事を好きじゃなくなったの?」
「またその話?
好きだよ。
でも落ち着いたっていうか前みたいに付き合いたいとかって思わなくなった感じかなぁ…
そんなに気にしなくていいよ。
もうこの話は終わりで」
「いやいや俺は終わりにしたくないわけ
お前が俺の事を好きだって思って気長に告白してくるのを待ってたらフラれた感じだし。
俺は好きなんだ」
「私も好きだけど今は特に…」
「じゃあもう一度俺の事を好きにさせるから覚悟しとけ」
「げ!」
「ちなみになんで落ち着いたの?」
「笑わないでね。
あきれないでね…
アイドルのファンになったから」
「は?」
「きっかけは友達の付き合いでコンサートと握手会に行ったの。
で、好きになった」
「なんだよ、それは。
ちゃんと聞きたいからこれから
お前のうちで話を聞くぞ。」
「今から?」
「そう、今」
「わかったよ…」

