「……わたし昨日、
美優さんに偶然会ったんだ…。」
「……え、美優に?」
「…うん。…航くんと同じ顔してた。
すごく、悲しそうな顔」
「……」
「美優さんは、
今でも航くんのこと想ってるよ。
すっごく後悔してた。」
「…っ…」
「ふたりが同じ気持ちなのに、
ふたりが別れちゃうのは…わたしまで苦しいよ」
「……実月ちゃん…」
「……わたしも、頑張るからさ…!
だから航くんもっ……」
__ガタンっ…
「京哉…!?」
「おい、大丈夫か…!」
……そのとき、体育館の中から
京ちゃんの名前を叫ぶ声が聞こえた。
「っ…ご、ごめん航くん
わたしちょっと行ってくるッ…!」
そう言って、わたしは京ちゃんの元へ
無我夢中で駆け寄った。


