俺の手が届く範囲にいろ。



「あとはね、見えないところで
努力してる頑張り屋さん!
…すっごい聞き上手なところ!」


「………」


「…困った時はいつも助けてくれてー、
みんなに優し……わっ!」


指で数えることに夢中になって
わたしは、京ちゃんが
立ち止まったことにも気付かずに
そのまま背中にぶつかってしまった。


「ご、ごめんっ…!
って…急に止まってどうしたの!?」


そんなことを尋ねると、
京ちゃんはわたしの方を振り向いた。


その瞬間……


__ぐいっ…


わたしは京ちゃんの香りに包まれる。


「へっ…?」


気付けば、京ちゃんの腕の中。