田んぼと田んぼの間に目的地はあった。着いた。
気付けばそこは 寺 があった。
小さな寺だ。大きな病院ではない。
遙歩は 、御見舞に行くんだよ…。無心でただ、遙歩の後について行った。バレないぐらいの距離で。
白いスミレは 無邪気な恋 真実の恋なんだって。
俺らにピッタリだな。
お前さ言ってたよな~、俺の笑顔は無邪気だって。お前のほうが無邪気だったよ。
あの笑顔好きだよ。 そのために部活頑張ってたしな~。朝弱いのに朝練まで行ったし。
なんて優しく微笑む彼に私は惹きつけられてしまった。
初めて見た表情だった。
私にも祐翔や煌も知らない笑顔だった。
それからあとの事はあまり覚えていない。
なんとなく帰ってなんとなく1日過ごした。
寝ても瞼に焼き付いた遙歩は消えなかった。
