となりの君は、あの子のもの




「まぁ、そうだけどね。美雨、一緒に学校行こう〜」

「松永先輩と一緒だから、嫌。先行ってていいから。ごちそうさま!」




後ろでぶーぶー言ってる、なっちゃんを置いて、学校へ行く準備をする。

朝からなんで、嫌いな奴の顔を見なきゃいけないんだか…。



洗面所の鏡で自分の姿を見ると、背中の真ん中らへんまで伸びた黒髪が、あちこち寝癖ではねてる。

時計を見ると、あまり時間がなかったので、慌てて寝癖を直した。



…よし、完璧。





「夏架ー、学校行くぞ」

「はーい!いま行く!」




下から、…嫌いな声、と
嬉しそうな、なっちゃんの声が聞こえる。



毎年毎日のように聞くやりとり。

胸がぎゅってする。



痛みは年々強くなっていくのに、声に反応してしまう自分やその声は大嫌い。

矛盾してるよね…。