となりの君は、あの子のもの




「え、みんなどうしたの?」


「いいな〜、美雨ちゃん。桜庭くんと話せたなんて!」

「さすが、美雨ちゃん!」



「え、え?? みんな、あんな人がいいの??」




思ったことを口にすると、みんながすごい形相で迫る。




「だって、桜庭くんだよ!?あの中等部の王子の!」

「ただでさえ、女嫌いって言われてるからみんな近付けないのに〜!」

「それにしても、あの美貌!同じクラスになれて良かった〜」




怒涛の勢いで言われたわたしは、みんなの気迫についていけない…。





「まぁ、美雨はあんま男に興味ないもんね。桜庭くんは、確かにかっこいいから人気あるよ」




麻美まで!

顔はかっこいいかもしんないけど、ちょっと怖くないか!?


さっきの視線とか、めっちゃ冷たかったし…。


いや、あれはわたしが悪かったんだけどさ。