「........んっ」






寝返りをうつだけでフワッと香る香り。






その発信源である柔らかな髪をそっと撫でる。





そしてその手を下へとおろし、白く暖かな頬をまた同じように撫でる。







朝、こうしているだけで自分の中にある大きな穴が塞がったような感覚になっていく。





「行ってくるね」









そう呟き俺は、そっとテーブルに水と数枚の紙を置く。






それは、‘お礼’ であり、


‘謝罪’





でもある。

















それが俺にできる唯一のことだった。