ほー、ほー。
真っ暗の闇の中獣の鳴く声だけが、聞こえる夜。窓から空を見上げ音も立てず一点を見つめている女の子が何かを見つけ小さな手を伸ばす。

ばさっ。その手に小さな白い梟が止まり疲れたと言わんばかりに一度羽ばたかせた後に小さくちぢまり目を閉じている。その小さな頭を撫でて微笑む女の子は窓から慣れた手つきで足を窓の縁から出した。それでも起きない白い梟に気を使いながら窓の外すぐ近くにある登り梯子に足をかけそーと片手は梟を持ちながら器用に上がる。さっきの窓は二階だったので今は二階の上の屋根で夜の町がよく見える場所で女の子のお気に入りの場所である。