「ももか?なにボーっとしてるの?、、おーい!聞こえてる??」

隣にいた紗英が私の異変に気付き
耳元で話した

その瞬間、昔の記憶が蘇る。
彼女と手をつないで仲良く帰って
いつもバイバイの時はキスをする。

見たくないけど彼女が見せつけてくる。
この人の隣は私のよって
言われているみたいで思い出す度に傷ついた。

「い、、いたぃ、、」

「え?!大丈夫??」

「ごめん。お腹痛い、、今日はもぅ帰るね。」


あの場には居られなかった。

席を立ったとき
課長が心配そうな目で見てくれたけど、
お腹痛いんで帰ります。すみません。と
ジェスチャーすると伝わった。
本当に課長は良い人だ、、と
改めて思う。


1人暮らしのアパートに
向かって歩いてみたものの
頭の混乱は治らず、

「え、、あれ、、優ちゃんだよね、、
え?!うそでしょ!?えーー、、、でも、、名字浅原じゃなかったような、、」

とにかく独り言をブツブツ言っていた。


家に着くとただ一つ疑問だけが残った。

「本当にあの人は優ちゃん?」

それだけだった