最低だなんて分かってる、大雅は何も悪くないのに。


大雅を勝手に悪者にして、逃げて。


“幼馴染”に甘えて、困らせて。


「ばかだな、あたし」


今までずっと大雅と登下校した道を通らないように、知らない角を何本も曲がって、走った。


勝手に想って、勝手に伝えて、勝手に拗ねて。


全部あたしがしたことなのに、全部やり直したくて。


こんなはずじゃなかったのに、なんて、何回思っただろう。


「大っ嫌いだ、」


大雅なんて、


――こんなあたしなんて。