「大雅、」 状況の整理をする能力が追いつかなくて、気づけば名前を呼んでいた。 それはまるで――無意識の、ように。 「前見て歩けって。信号。赤」 大雅は体制を変えないまま、あたしに少し強い口調で言葉を吐く。 「あ、ほんとだ、赤、」 大雅の言葉に押され気味で前を向き直すと、そこにはあの頃の、そして昨日の横断歩道が、赤色の光を発する信号機と共に大きく構えていた。 「ぼーっとしてっから、ったく…」