「知衛、起きたのか?」



そして、兄が目を覚ました。



「どうした」



目が会い、突然で驚き、差しのべられた手を振り払ってしまった。


「知衛……」



こんな強く振り払うつもり無かったのに……、どうしよう。



「どうした、知衛」


「ご、めんな、さい……、ごめん、なさい、ごめんなさい」



お兄ちゃんに抱き締められた。



「知衛、大丈夫、大丈夫」



久しぶりの人の温もりに、蓄積していた思いが溢れだし、泣いてしまった。


泣きつかれて、また、少し眠った。