それを見た女子高生達は、
キャーキャーと騒ぎだした。

「ちょっとあの男の子の父親。
めっちゃカッコいい~」

「お父さん似なんだねぇ~抱っこしている
女の子もそっくり。可愛い~」

「ってか、あの人。ベストセラー作家の
蓮見真夜じゃない?」

「嘘っ~マジで!?」

先生がベストセラー作家だと気付くと
さらに騒ぎだした。
たまたま私は、その現場を見てしまい
慌てて先生のもとに。

大変だ。
騒がれる前に帰らないと……。

「先生。お待たせしました」

「あぁ、なら行くか?」

立ち上がろうとすると面白くないのか
卯月がぐずりだしてしまう。

そういえば、卯月にも
絵本を買ってあげるはずだった。

仕方がないので絵本に向かう。

「さぁ、卯月。
好きな絵本を選んでいいわよ」

下におろしてやると卯月は、
キャッキャッとはしゃぎながら
絵本を触りだした。