しばらく見ていると……番組が終わったらしく
卯月は、テレビから離れて
1人でよちよちと歩き出した。

今度は、面白いものがないか探検を始める。

キョロキョロしながら興味を持つ物に
触ったり口に入れようとする。

あ、こら。
それは、口に入れないで……。

クッションを口で噛み噛みする。
よだれでベタベタになってしまった。

その後も色々と触ろうとするのだが、どうやら
棚の上にあるティッシュ箱に気づいたようだ。

そこに前進して行く。

あ、いよいよね!?

声を殺して見ているとまず自分の力で
取ろうとするのだが……とどかない。

背伸びしてる姿は、全身ぶるぶる震えて
可愛らしいが無理だった。

まぁ……普通そうなるわよね。
とどかないように置いたもの。

卯月は、無理だと諦めると何やら
何処かに行き始めた。

向かった先は、寝ている飼い猫の白雪のところだ。

スヤスヤと寝ている白雪を卯月は、
近寄り揺すりだした。

えっ?ちょっと
それだと白雪が起きちゃうから!?

慌ててやめさせようとすると
卯月が

「にゃーにゃー。にゃーにゃー
あぁとって。あーよ!」

何やら白雪に訴えかけていた。

すると目を覚ましたようであくびをしながら
起き始める白雪。

そして歩き始めた。

向かった先は……ティッシュ箱が置いてある棚。

するとぴょんぴょんと器用に棚から棚に
移動しながら登り始めた。

猫だから得意分野だ。

上まで到着すると……なんと
身体を使いティッシュ箱を下に落とし始めた。

グイッと押すと見事にティッシュ箱が
下に落下。

下で待っていた卯月は、喜びながら
それを出して遊び始めた。

手助けをした真犯人は、
白雪だったのねぇー!!?