私は、睦月君は……なんて凄い子だと思った。

悪いことをしたら、きちんと2人に謝らせる。

どちらが悪いとかは、二の次に考えていた。
なかなか出来ることではない。

その後。
私達は、帰ることにした。

茉莉華ちゃんは、拓馬君のママが
送ってくれることになり別れて帰る。

私は、先生に車で迎えに来てもらった。

車の中で私は、先生にあったことを説明した。

睦月君が凄かったのと自分が母親として
情けなかったことを……。

本来なら私がやるべきことだったのに
喧嘩腰になるなんて情けない。

しゅんと落ち込んでいたら
運転しながら先生が

「それにしてもお前がそこまでムキになって
言い返すなんて珍しいな。
お前……普段そんなキャラではないだろ?」

えっ……?

先生の言葉にハッとする。
確かに普段ムキになって言い返すことはない。

ボケッとしていると言われればそれまでだけど
喧嘩腰になったりしない。

ただあの時は、卯月を守ろうとしていた。

我が子をあんな言われ方をして腹が立った。
自分に驚いてしまう。

すると先生は、私をチラッと見て

「普段言われっぱなしのお前が怒るのは、
母親として卯月を守ろうとした結果じゃないのか?
だったら……いいのではないのか?」

「母親として成長したってことだろ」

そう言ってくれた。

私が……母親として成長した?

驚きながら後ろの2人を見た。
遊び疲れたのかスヤスヤと眠っている2人。

クスッと微笑んだ。

「……そうかもしれませんね」

私も少しずつだが
2人の母親として成長が出来たのなら
嬉しい限りだ。