泣いている“きせあちゃん”の前で行くと

「卯月。理由がどうあれ服を引っ張ったら危ないよ!
ダメなことをしたら、ごめんなさいは?」

卯月に謝るように言ってきた。

えぇっ!?

睦月君の行動に驚いてしまう。

すると半べそをかきながらも卯月は、

「……ちゃい。めんちゃい」

素直に謝り出した。

それにも驚いたけど……すると
睦月君は、今度は、その子にも

「きせあちゃんだっけ?
君も横入りするのは、いけないことだよ!
順番は、ちゃんと守らなくちゃあ。
年下の卯月がちゃんと謝ったんだから
君も謝れるよね?ごめんなさいは?」

たしなめ始めた。

”きせあちゃん”って子も納得しのか
「……ごめんなさい」と謝り出す。

謝った……!?

そうしたら睦月君は、その子の頭を撫でた。

「2人共よく謝れたね。偉いね」

そう言って……。

私達は、唖然としていた。

1番……睦月君の対応が大人だった。

睦月君は、こちらを見ながら

「怒るよりもまず悪い事といい事の
区別を教えるべきだよね。そう思わない?」

そう訴えかけてきた。

おっしゃる通りです。
自分のしたことを恥ずかしくなってきた。

その母親も恥ずかしくなってきたのか

「き、奇跡愛ちゃん行くわよ!!」

慌ててその子を連れて
逃げるように立ち去って行った。