「拓馬……!?」

ずっと拓馬のそばに居た拓馬君のママは、
驚いていた。

すると茉莉華ちゃんまでもが

「大体アメリカ式って……
何か履き違えてませんこと?
アメリカは、あくまでも
子供や個人の意見を尊重しているだけで
マナーを守った上での話ですわ。
あなたみたいに躾をせずにほったらかしの人と
一緒にされたくないですわ」

「あなたこそ、もっとマナーを
勉強なさった方がよろしくってよ?
一体どんな親に育てられたら
あなたみたいな非常識で
口の悪い大人になるのか……不思議ですわ」

拓馬君。茉莉華ちゃん……。

私の代わりに言ってくれた。
かなり大人びた発言だったけど

「口の悪いって……それ
お前が言うか?」

「うるさいですわよ。拓馬」

ギロッと拓馬君を睨み付ける茉莉華ちゃん。

だが真っ赤になりながら
恥をかかせたことに対して怒り出す母親。

「ま、まったくなんてガキなの!?
この子の親は、一体誰?
大人に向かって……なんて
口の聞き方してるのよ!?」

「あの……」

拓馬君のママが何かを言おうとしたら
スッと睦月君が私のところに来た。

睦月君……?

すると半べそをかいてグズッている卯月を
私から受け取り抱き上げた。

そして、あやしながら
“きせあちゃん”って子の前に行ってしまう。