しかしその母親は、

「はぁっ?横入り?
ウチの奇跡愛ちゃんは、
のびのびとアメリカ式のスタイルで育てているの。
横入りじゃないわよ!
大体そんな小さい子を遊具に近付けさせないでよ」

「まったく。私の大切な
奇跡愛ちゃんが怪我でもしたら
どうしてくれるのよ!?
あー許せない。謝りなさいよ」

逆にこちらが悪いとキレられ
謝れと言われた。

はい!?

「服を引っ張ったのは、
確かに申し訳なかったと思ってます。
ですが一方的に、こちらが悪いと言うのは……。
さすがにおかしくありませんか?
横入りまでしてきたのに
まず自分の子を叱ってください」

さすがの私も
この母親の態度に腹が立ってきた。

「だからウチは、アメリカ式の
怒らないスタイルって言ってるじゃない。
自分の子が乱暴だったからって
私の奇跡愛ちゃんのせいにしないでよ!
まったく。
一体何様のつもりなの?
親が親なら子供も子供ね」

あまりにも身勝手な言い分に呆れ返って
腹が立つのに、それ以上言い返せなかった。

その時だった。

「お前こそ何様だよ?」

えっ?

驚いているといつの間にか
拓馬君と茉莉華ちゃんがそばに来ていた。

「た、拓馬君。茉莉華ちゃん!?」

私は、驚いてしまう。

そうしたら拓馬君がその母親に向かって

「ずっと見ていたけど、明らかに横入りして
乱暴をしたのは、おばちゃんの子供じゃん。
なに人のせいにしてんだよ?」

私の代わりに言い返してくれた。