「卯月。メッ!!
危ないから1人で乗っちゃあダメよ!?」

慌てて卯月のところに行こうとした。

その時だった。
4歳ぐらいの女の子が、滑り台の方に走ってきて

「あんた。邪魔!!」

そう言って卯月を押しのけて
登ろうとしてきた。

あっ!?

しかし卯月は、腹が立ったのか

「メッ!!」

登ろうとしたその子の服を引っ張った。

力任せに引っ張るものだから
女の子は、そのまま落下。

卯月を下敷きにして落ちてしまった。

ほんの一瞬の出来事だった。

「卯月!!?」

私は、慌てて名前を呼ぶ。

「ふぎゃああっ~!!」

重いのと驚いた卯月は、
大声を出して泣き出してしまった。

急いで抱き上げるとギャン泣きしながらも
しがみついてきた。

急いで怪我がないかチェックをするが
無事みたいだ。 

良かった……。

しかし卯月を押しのけて落ちてきた女の子も
泣いてしまった。

するとその子の母親らしき人が怒鳴ってきた。

「ちょっとウチの奇跡愛(きせあ)ちゃんに
何をしてくれてるのよ!?」

「ですが、あなたの娘さんがウチの子が
登ろうとしたのを横入りしてきて……」

卯月がその子の服を引っ張ったのは、
確かに申し訳ないと思ったけど……でも、
先に横入りしようとしてきたのはあの子だ。