彼氏さんは、一瞬戸惑うが観念したのか
おずおずとその箱を彼女さんに見せた。
「これ……君にあげるつもりだったんだ」
「えっ?」
彼女さんは、驚いていた。
やっぱり。
「開けてみたらどうですか?
私は、それを見つけただけですので」
私がそう言うと戸惑いながらも渡された
小さな箱を開ける彼女さん。
すると綺麗な指輪が入っていた。
「これって……!?」
「本当は……もっと早く渡すつもりだったんだ。
でもなかなか勇気がなくて……せめて
今日の旅行までには、プロポーズしたくて
ごめん……黙ってて。
あの……俺と結婚して下さい」
彼氏さんは、どうやらプロポーズをしたくて
こそこそとしていたらしい。
ただそれが、浮気だと
彼女さんは、勘違いしたみたいだけど
「嬉しい……」
彼女さんは、涙を流しながら喜んでくれる。
どうやら騒動が落ち着いたようだ。
良かった……何とか誤解が解けたみたい。
お婆さんのお陰だわ。
お礼を言おうと辺りを見るが……居ない。
あれ?さっきまでそこに居たのに?



