仕方がなく3人で散歩に行く。
ちなみに白雪は、連れて行けないので
先生の親友・浜野さんの自宅に
預かってもらっていた。

まず旅館の中をお散歩。

前を卯月がよちよちと歩いて
私と睦月君は、後ろをついて行く。

「あう……キャハッ♪」

知らない場所だから珍しいものがいっぱいあるため
卯月は、上機嫌で歩きだす。

ただし転ばないか後ろでヒヤヒヤしないと
いけないけど……。

「広いし、素敵な旅館ねぇ~」

長くやっているせいか古いけど、それが返って
いい味が出ていた。

すると前を歩いていた優しそうな老夫婦が
卯月に気づいた。

「あらあら、可愛いらしいお嬢ちゃんねぇ~」

お婆さんがそう言った。

「あぅ……キャハッ!!」

人見知りをしない卯月は、
老夫婦が気に入ったのか
寄って行ってしまう。

あ、こらこら……!?

「卯月……ダメよ!!
すみません……娘が……」

「あらあら、いいのよ~こんな
可愛らしいお嬢ちゃんに懐かれるなら大歓迎だわ。
ねぇ、あなた」

「あぁ、そうだね」

旦那さんらしきお爺さんに言うと
お爺さんは、ニコッと笑ってくれた。

とても素敵な老夫婦だった。