キャンパス~モノクロ世界に色を~

昼休み。

私は若菜と二人お弁当を食べていた。

こうして改めて考えてみるとずいぶんと

仲良くなったよな。

最初はあまりいいとは言わなかったけど

今は楽しいと思える。


「利愛、どうしたの?」


「いや、なんでも…」



若菜の方を見ると視界に宙の姿があった。


「…っ!!!」


目があって思わず逸らしてしまう。

今までこんなことなかったのに…。


利愛?と不思議そうに訪ねてくる若菜。



「やぁ~お二人さん!」


私の卵焼きをパクっと口の中に入れた。


「なに、透真」


「いや~今日も最高の日だな!」


意味不明な事を言い出す。

若菜は食べながら普通に聞いているし…。

そういえば透真はお弁当を持っていなかった。

もしかして忘れたのかなと思い聞いてみた。


「透真、お弁当忘れたの?」


聞いたのが間違いだったと後で後悔する。

待ってましたとどや顔をする透真。


「クラスの女子が俺のために弁当作ってくれてんのさ!」


両手を広げ大きな声で笑っている。

普通に聞いていた若菜でさえ引いている。


「でも、利愛の弁当が一番うまいな!」


「あっそ…」


その言葉は素直に嬉しい。

でも腹が立つ。


「んじゃまた後でな~」


「あっ!透真、放課後話あるから」


忘れていた事に気づいて透真を止める。

了解と言ってピースをした。


「俺に告白かー!」


ゲラゲラと笑っているあいつの頭を叩く。


「そんなわけないでしょ!」