彼の誕生日は9月15日だと知り、なんだか縁があるね、という話になった。




私は6月10日生まれで、蒼佑くんが9月15日生まれ。


瑞樹の誕生日が12月20日だということを、私の口から初めて聞いたようで、驚きを隠せない様子だった。





私と瑞樹がちょうど半年後の誕生日ということは二人の間では周知の事実だったけれど、蒼佑くんがそれを知って、


「おれたちのこと、表してるみたいだね」


と、遠くを見ていたことがあった。え? と聞き返したら、その日は教えてもらえなかったけれど、後に聞くことになる。





「二人の間に割って入っていった、おれにぴったりだ」



 そんな自虐は私の専売特許で、蒼佑くんが口にすることはあまりなかったから、困惑しきりでしばらく頭を抱えていた。









 誕生日を祝うべきか、あえてスルーすべきか。




しかし、自分はあんなにいいところに連れて行ってもらって、何もしないわけにもいかない。

悩みに悩んだ末に、本人に直接聞いてしまった。




欲しいものはないか、行きたいところはないか、何かしてほしいことはないか。

本当に、悩みに悩んで、彼に直接聞くまでネットで調べてみたり、夜遅くまで考え込んでいたりしたせいで、目の下にクマができていた。

おまけに頬杖して考えていたせいで、そこににきび、いや、この歳ならば吹き出物になるだろうか。

できものができてしまって、それを見つけた彼が「そんなにおれのこと考えてくれたんだ」とキスの嵐を降らせた。



くすぐったくて、やめろーと押し返す素振りを見せたら、すぐに身体が離れてあっけにとられてしまった。

今までは、そんなことなかったのに。





 そんなところで、蒼佑くんの誕生日はどうしたのかというと、結局、蒼佑くん本人のリクエストのもと、お祝いのプランを練った。

蒼佑くんが私の家に行きたいと言ってきて、え、このタイミングで? と困惑した。





まだ家族に紹介するには早いのではないだろうか、結婚するつもりなのだろうか、プロポーズを、されるのだろうか。



こういった思考回路は空回りで、本当に、〝家に行っただけ”。