「あわせる顔がない…。」



男の銀髪の髪が月に反射し、輝いている。



「じゃあ、謝れ。」


「…え?」



女が顔を上げた。



「彼奴に会った時に、ちゃんと謝れ。」


「…、」


「それでお前は心から彼奴に笑いかけられるはずだ。」


「なんで……そう思うの?」


「今のお前は勝手に自分を責めてるだけだ。責めることで満足している、只の自己満足にすぎない。」


「っ…そんなことっ!」


「〝そんなこと〟ないのか?」



女は口を開いたが、すぐに閉じた。



「あるかもしれない。」


「…、」



男は静かに女を見つめた。

すると女は困ったような顔をした後、開き直ったような顔になる。



「分かった、分かったよ。謝ればいいんでしょ。」


「なんで拗ねてんだよ。」


「拗ねてねぇし!」