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「ふんふんふふーん♪」


「るせぇんだよ。」


「なんで?ルンルンにならない方が可笑しいよ。」



隣で歩く女は嬉しそうに微笑んだ。

男は溜息を吐くと女から視線を逸らし、前を向く。



「お前…、これから俺達が何をしに行くのか分かってんのか?」


「当たり前じゃん。やっと本格的に探せる。」



女の目が悲しみに染まった。
口元には自嘲的な笑みが浮かぶ。



「ごめんね…、遅くなって…。」



小さな声が女の口から漏れた。
その声は夜の黒に呑まれていく。
男はまた溜息を吐くと、女を一瞬見た。



「それは本人に言ってやれよ。」


「それは……そうだけど。」


「おい、さっきのお前はどこに行った。」


「………宇宙の彼方。」


「はぁ…めんどくせぇ。」


「だって…、」



そこまで言いかけて、女は話すのを止めた。