悠生side
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中部地方って…、


呆れた笑みを浮かべた。

俺は今、本部にいる。


皇龍会(コウリュウカイ)。
それが俺達が所属するチームの名前。


俺はその皇龍会の幹部の1人。



「サチはどこ?会いに行ったんじゃないの?」



俺はいつものソファへと座ると正面に座っている男が不思議そうに言った。



『あ、…うん。でも会えなかった…なあ。』



サチが女を拾ったとは口が裂けても言えない。

あれだけ、

” 手は出すな。近づくのも禁止。”

とか言われていたにもかかわらず…着いた瞬間、彼奴は言った。




《気に入ったから連れてくわ。》




ちょちょちょっちょっと待て!?


流石に焦ってサチを車に戻そうとした。しかし皇龍会の総長ともあろう方に一幹部の俺が勝てるわけがない。
…それで俺の制止も聞かずに現在に至る。

俺は小さく拳を握りしめた。

俺がまたサチと他の幹部の間に入らなきゃでしょ。そうなると神経が削れてストレスが溜まって胃が痛くなって…、あああっ!