「まって!」



ふと思った。


なんで俺はいきなり来たあの女と仲良くなっているんだろう。

いきなり俺達の居場所に現れて。
一日で綺羅さんの隣にいて。


普通、嫌にならないのか?でもどこか納得している自分がいる。綺羅さんの隣いるむぅはどこかしっくりくる。


その理由はわからない。



「私も行くっ!」


「……野良くんっ!」


『ッ…あぁ。ごめん。』


「どうかした?」


『いや、何でもない。』


「…そう。」



むぅは俺の隣を歩く。


部屋に着いて扉を開くと綺羅さんが視界に入った。


この違和感がなんなのか、俺は知りたい。


まさか———、

その仮説を俺は消した。
ありえない、そんなこと。

—————綺羅さんとむぅが本当に兄妹だなんて。



野良side end.