伊崎side


目の前の女は全く動かずベッドの上で目を閉じていた。
死んでいるようにも見える。



「…いつまで眺めてんの?」


『…あ゛?』


「昨日連れてきて気を失ってるなら、まだじゃない?」



まだ?
もう少しで24時間だ。

24時間も待たされたんだ。

早くこの目が開いた顔を見たい。



『…早く起きろ。』


「こらこらっ!揺するなあっ!」



個室だから問題ないが、そうじゃなければ迷惑ものの大きな声。

俺が睨みつけると、その声の主は俺からその女を守るように手を広げた。



『うるせぇ。』


「…俺に八つ当たりしないでよ。」


『チッ』



男は呆れたような表情を浮かべた。