右京から解放された私は今度こそとリビングを後にした。


廊下に出ると、リビングに戻ってきたらしい琥珀とバッタリ会った。


(まぁ、同じ家にいるんだから当然、会うよね。丁度いいから挨拶して帰ろうっと)



「琥珀、私帰るね?髪、わざわざ乾かしてくれてありがとうね?」


『ああ、もう帰るのか?』


「うん。色々、お世話になりました!」


『ああ、』



琥珀の横を通りすぎ玄関へと足を一歩進めると、


『……瑠璃、』



琥珀に呼びとめられた。



「ん、何?琥珀」


『……また、会えねぇーか?』



右京との約束もあるけど、何故か私は



「琥珀とは何か縁があると思う。だから、またどこかで会えるような気がする」



何故かそんな気がした。



『そうか』



どこか嬉しそな顔をした琥珀は、



『気をつけて帰れよ、?』



と、言いながら私の頭にポンと大きな手を乗せた。