「……まぁ。私に出来ることなら」



お世話にもなった事だしね。



「ありがとな?瑠璃」


ニヤリと笑った右京。一体、お願いってなんだろう?


右京からのお願いとやらの内容を聞くため私はとりあえず無言で右京の話を待ってみた。


そして、右京は真剣な表情と声で言った。



「あのな?時々で良いから、琥珀の話し相手になってやってくれねぇーか?」



琥珀の?



「あいつさぁ~、友達作るの下手でさぁ~。俺も、あいつに気の合う友達とか居たら気が楽になんだよ。……だから、頼む!!」



右京の口調が話し始めの頃より若干、砕けて柔らかくなった。


(……琥珀の話し相手かぁ~)


まぁ、それくらいで良いなら。



「いいよ?」


「おお!!……マジで!?」


「うん。私でいいなら話くらい聞くし」



どうやら右京からのお願いとはそれだけらしく、友達思いのいい人だと私はこの時思っていた。


……でも彼は後に、単なる”友達思い”ではなくなく”琥珀思い”なんだと明らかになった。