†皇帝-emperor-†《Ⅰ》



ん?


右京?


って……あっ!!



「私を自動販売機の横から見つけてくれた人!?」



私の問いに彼、改め右京は



「……ああ。琥珀から聞いたのか?」



と言葉を投げる。



「うん。……琥珀にお礼を言ったら、右京に言えって言われた。だから、ありがとね?右京」



気付けばお互い笑みを浮かべていた。



「いや、俺は……何もしてねぇーよ」



男の人って謙遜するのが好きなのかな?


やっと言えたお礼に私はスッキリした気持ちになった。


よし。今度こそ、お礼も言えたし、髪も乾かした。



……帰ろう!!



私は、右京に”そろそろ帰るね。”と言葉を残し帰ろうとした、


……だけど、何故か右京は私の手を捕らえて放してくれなかった。



「……えっと、?」


「なぁ?瑠璃。俺に感謝してる?」



唐突な質問だった。



「そりゃー、まぁ。してるけど?」



なんだろう?



「じゃー、1つだけお願い聞いてくんね?」



お願い?