†皇帝-emperor-†《Ⅰ》




バタバタとかなり慌てた様子の足音が廊下に響く。



そして、姿を現したのは



『瑠璃!!』


「……え?」



少し焦り気味の琥珀。


その手にはドライヤーが握られていた。


そんな琥珀の姿を見た私と、彼の反応は……私は突然、名前を呼ばれたことで驚いていた。


だけど銀髪の彼は”嘘だろ?”と呟き呆然とした様子だった。


そんな私たちにはお構いなしの様子の琥珀は、



『髪、乾かさねーと風邪ひくだろうが』



と、言葉を落とした。そうかとお思えば、次の瞬間には私の手を引きリビングへと足を進めた。


……え?


一瞬、遅れたものの銀髪の彼も後からついてきていた。