——ゴホンッ



赤い顔をを誤魔化すように咳払いをひとつ落とした彼は、



『丁度、出来たから食べれば?』



どうやら彼が何か私のために作ってくれたらしい。



「ぁ、ありがとう」


『……ああ』



そう言いながら優しく微笑む彼。


彼と私はカウンターキッチンを挟んで向き合う形になった。


私はカウンターに座り、まだ何か作っている途中らしい彼を眺めていた。


じーっと見ていたせいか、フッと笑った彼が



『……冷えるぞ?』



と、言いながら私に作ってくれていたものを食べるように促した。


彼が作ってくれたものは、


オムライスだった。


綺麗に黄色い卵に包まれたチキンライスはかなり本格的で、ビックリした。



「……美味しい、」



私のつぶやきが聞こえたのか。



『サンキュー』



優しい笑みだった。


瞳に優しい色を映し穏やかな笑みを浮かべる彼。



(……本当によく笑う人だな。)