「…邪魔よ」



数ヶ月ぶりに聞いた母親の声は、不機嫌丸出しで俺の頭の中では危険を告げる警報が鳴り響いていた。


機嫌の悪い時の母親はタバコを押し付けることが多く、その声を聞いた瞬間俺は思わず竦み上がっていた。


( ……また、俺の体は汚れいていくのだろうか?)


俺に向けていたハズの視線を他に一度逸らした母親。普段ならそのまま俺のことなんて見ない。


だが、その日は違った。


俺に再び向き直った母親は、俺にこんな言葉を放った。



「……アンタの顔。本当にあの男にソックリね。…………殺したくなるくらい!!」



俺は自分の耳を疑った。