”アンタなんか産まなきゃ良かった!!”


と、俺を罵り狂っていった女は


俺に名前など与えなかった。


俺を呼ぶときは大概


”アンタ”だとか”ねぇ”だった。


あの頃の俺には、——名前なんて無かった。