赤面しながらも、松雪琥珀は困ったような笑みを浮かべた。



『…そんな事初めて言われた』


「……え?」



そんなにも綺麗な容姿と名前をしていながら?


彼ほどの存在感を放つ人間なら嫌でも目立ってしまうだろうに。



そして私は、



『…ありがとな』



その言葉でさらに訳が分からなくなった。



”ありがとう”だなんて言われるようなこと私は松雪琥珀にしていない。



私はただ綺麗なものを綺麗と言っただけなんだから。