——…どれ位、隣の男の人を眺めていたんだろう。初めは整いすぎた顔のせいか、もしくは男の人の顔の俯き加減に加えて部屋の薄暗さのせいか女の人かと思った。


だけど、私の体に巻き付いた腕は女の人のモノとは思えないしなやかで力強いものだった。


着痩せして見える体のラインはどうやら筋肉質らしい。


目覚める気配のない隣の男の人。


どうしよう?この状態。


いつ起きるかと思いながら、隣に視線を送るものの全く反応がないから途中で諦めた。


ジッと見るのも失礼かと思って寝返りを打とうと試みるものの後ろの大きな手に阻まれる。


……ということで寝返りも断念。


そうした事を繰り返しているうちに段々と体が寒さを訴えるようになった。


部屋の中は暖房が入ってるようだけど、私は冷え性らしくて冬は兎に角寒さに弱い。


夏でも冷房が効きすぎている所は出来れば近寄りたくないと思うほどだ。元々の体温が低いのも理由の一つかもしれない。


隣の男の人には悪いと思ったけど……つい寒さのせいか男の人で暖をとろうと体が動いてしまう。


体は寒さのせいで震えてきた。