女が肯定したことで、俺は元々女を抱いていた腕でさらに女との間合いを縮め引き寄せる。


夜までは温かかったはずの女の体は気付けば冷え切っていた。


俺の体温が高いせいか、女の体温が低過ぎるせいか女の体は熱を共有するとすぐに温まり始めた。


そして、女はまたウトウトし始めた。完全に意識を手放す前に女は呟いた。


「…ごめん、なさい。ぁ、りがとう、」と。


女の意識が完全に途切れたのを確認するかの様に女の吐息が聞こえてくるまで、静寂を守った。


そして俺はベッドから降り、部屋を出た。


どうも、慣れない睡眠をとったからか、ボーッとしているらしく頭が働かない。


それも心地がいいと感じるのはきっと、”不思議なあの猫”のせいだろう。


俺は密かに、期待を抱いた。今までどんなに望んでも出来なかった自然な眠り。


それを可能にしたあの女。


……純粋に興味が湧いた。


俺は部屋を出たその足で、シャワーを浴びにバスルームへと向かった。