――…自宅のマンションには地下駐車場がある。俺は車から降り、そこから先は自分で女を抱いて部屋へと運んだ。
女の体は重さを感じさせない位軽くて、顔は美術品を思わせるような美しさで、長いまつげがおりる今はどこか儚げだった。
抱き上げた瞬間に俺の腕から女の頭がガクッと仰け反るように滑り落ちたにも拘らず女は起きる気配を感じさせなかった。
そのまま、俺は俺の姿に目を見開く陸と涼をおいてエントランスをくぐるとコンシェルジュの挨拶に軽く応え、3つある内の1つである最上階直通の専用エレベーターに乗り込んだ。
エレベーターが到着し、出来るだけ慎重に女を運んでいる自分に気付く。カードキーを取り出しロックを解除する。
——ピピッ
そして、俺はガチャリと音を立てる扉をあけた——…。
