——…記憶をたどる、小さな探検はラストの落ちが少し寂しく思うがそれも時の流れによってもたらされるモノなんだろう。


赤い自販機は外灯の少ないこの公園ではまぶしい光を放つ。


思わず暗闇に慣れた目は光のせいか眩んでしまう。


やっと、光に目が慣れてきた頃だった。



――ボソッ



「……い、――…っい」



近距離で何かがボソリと言葉を響かせた。



――ボソッ



どうやら、声は赤い自販機から聞こえるようだった。


俺は、自販機と茂みの間を覗き込んだ。



…っ!!


驚きすぎて声すら出なかった。


これほど、寒い中で人がいたからだ。


それも、自分とあまり年が変わらないであろう。



……女が居たのだから。