†皇帝-emperor-†《Ⅰ》




自分自身が怖くなった。自分が誰かを欲しているっていう事実に。


私は今まで、誰からも求められたことなんて無い。


それは私が、求めなかったから。


求めても、無意味なことを私は知っていた。


本当に、求めた時に支えてくれるような存在を私はまだ知らない。


求めても良いモノなのかも分からずに、私は自分の気持ちを琥珀にぶつけ押し付けてもいいかなんてもっと分らない。


私の言葉に目を見開いた琥珀。


(あ、……迷惑だったよね。)


琥珀の反応を見て咄嗟に”ごめん、今の忘れて”って口を開きかけた時だった。


突然、私を覚えのある心地よいぬくもりが包んだ。



( …え? )


な、んで?私、


琥珀に抱きしめられてるの?