†皇帝-emperor-†《Ⅰ》




高校生の常識?を初めて知った私は、自分も琥珀のことを”松雪さん”って呼ぶべきかを考えていた。



『……また会ったな?』



再び落とされたのはどこか楽しげな琥珀の声だった。



「……う、うん」



あれ?さっきまで、若干不機嫌に見えたのは気のせいだったのかな?



「そうだね。……ってアレ、高橋君は?」



さっきまで、目の前に居たハズの高橋君は居なくなっていた。



琥珀は、私が高橋君の名前を口にした途端にピクりっと眉を動かした。



……ん?



その謎の動きを不思議に思いながら、当初の疑問を琥珀に投げた。



「……そういえば琥珀は、どうしてこんな所に寝てたの?」



一瞬の間をおいて、



『……あぁ、右京から逃げてた』



という琥珀の返答。


……え??