高校生の常識?を初めて知った私は、自分も琥珀のことを”松雪さん”って呼ぶべきかを考えていた。
『……また会ったな?』
再び落とされたのはどこか楽しげな琥珀の声だった。
「……う、うん」
あれ?さっきまで、若干不機嫌に見えたのは気のせいだったのかな?
「そうだね。……ってアレ、高橋君は?」
さっきまで、目の前に居たハズの高橋君は居なくなっていた。
琥珀は、私が高橋君の名前を口にした途端にピクりっと眉を動かした。
……ん?
その謎の動きを不思議に思いながら、当初の疑問を琥珀に投げた。
「……そういえば琥珀は、どうしてこんな所に寝てたの?」
一瞬の間をおいて、
『……あぁ、右京から逃げてた』
という琥珀の返答。
……え??
