私が引っ張られたことによって、私と高橋君との距離が開いた瞬間だった。
私の身体に腕を回した彼が言葉を降らした。
そして、落とされたのは
『……コイツ、俺の』
( え‼︎?……こ、琥珀!? )
顔の位置が明らかに私よりも高い位置にある琥珀を見上げると、
どこか不機嫌に見えるのは私だけ?
私は琥珀がいつの間にか起きていたことへの驚きを、高橋君といえば何故か呆然。
口は開いたかと思えば閉じるの繰り返し。まるで金魚状態の高橋君。
そして、
「……ま、松雪さん!?」
さん??
アレ?もしかして琥珀って私より年上なのかな?
それにしても”松雪さん”って仮に琥珀が年上だとしても…、松雪先輩じゃなくて?
あれ?高校って先輩のことを”さん”で呼ぶものなのカナ??
(……まあ、いっか。)
